おれはじつにばかだな

失敗は得てしてうまく隠せないもの

「Ready Player One」で大興奮した後に「リズと青い鳥」で落ち着かせるススメ

一月か二月周期ぐらいで一日中映画を見ていたい衝動にかられる時があります、その時に猛烈に見たい映画があるのが大体4、5回に一回程度なのですが、今回の衝動はかなりのハマり時期だったので、映画漬けの1日にしたい方はAmazonビデオやNetflixで映画を垂れ流しにするのではなく、是非、映画館に足を運んで「READY PLAYER ONE」と「リズと青い鳥」を一緒に見ることをオススメします。そんなゆるい映画レビュー記事です。

※タイトル画像は「リズと青い鳥」の劇場入場者特典です。

原作情報

レディー・プレイヤー1の原作はアーネスト・クライン著の「ゲームウォーズ」という海外SF小説。未読ですがこれがとんどもない大ヒット小説だそうで。

そして「リズの青い鳥」は武田綾乃先生著作の原作小説「響け!ユーフォニアム」のアニメ化作品「響け!ユーフォニアム」からさらにスピンオフ作品として制作されたアニメ映画、というちょっとややこしい成り立ちの作品です。原作小説はてっきりKAエスマ文庫(京アニレーベル)の作品かと思っていたら宝島社文庫作品なんですね。残念ながらKindle化はされていない模様。

レディー・プレイヤー1

レビューで「IQの低い方のスピルバーグ」とか言われたり、来日インタビューで「プレイステーションで『マリオ』などをやりました」とインタビューアーをおちょくるスピールバーグですが文句なしに最高でした。純粋な娯楽映画って最近あまり見ていなかったのもあっていいストレス解消になりました。 

とにかく80年台ポップカルチャー文化(ゲーム・アニメ・映画・音楽)にどっぷりはまって生きてきた方にとっては大興奮。80年代のポップカルチャー文化に浸かりきっていない90年代以降の世代であっても、オンラインゲームに理解のある人であればこれだけ興奮剤が振りまかれた映画は無いです。本当に冒頭から興奮しっぱなし。

冒頭にレースシーンがあるのですが、この時点で元ネタが多すぎて頭と目が追いつかない。主人公の愛車はデロリアンで、ヒロインのバイクはAKIRAバイクだし、よくよく見るとマッハ号マッドマックスのV8インターセプターはいるし、どれだけ一画面に情報量詰め込めば気が済むのか下手なマシンガン漫才よりツッコミどころがあります

ストーリーを簡単に説明するとオンラインゲーム上で繰り広げられる「ワンピース」です。自分はワンピースの詳しいストーリーをよく分かってないのですが、「探せ!この世の全てをそこに置いてきた」をネットゲーム上で繰り広げるストーリーになってます。

ただ、冒険を繰り広げる土台となるゲーム世界が現実世界の荒廃っぷりに悲観した人の依存先として広まってしまい、現実を現実と受け止めきれず、ゲーム世界に逃げ込んでいる人が数多くいる世界となっています。

ただ、多少のオタク要素があればこの設定に刺さらない人はほぼいないんじゃ無いかと…この点、ポップカルチャー文化を幅広く包含しているってずるい…そんなの負ける未来しか見えない…

後半になるに連れてゲーム開発者の素顔とか、荒廃した現実世界とゲーム世界に依存している人たちの心情とか…近い将来このような没入型ゲームが実現されるのはそこまで遠くない未来と思っているので、少なくとも夢物語の一つで済むような話では無いかと…。

娯楽映画としてもとても優秀な半面、引きこもりが全世界的に増え続けている今の状況では一番この映画の世界観を身近に感じられる人種なんじゃないかとちょっと考えさせられました。

大筋としては一つの目的に沿って大きな事を成し遂げるタイプの映画なので手に汗握れます。

リズの青い鳥

そしてそんなヒートアップした体を休めるのにいい映画が「リズと青い鳥」

「実況パワフル吹奏楽」という個人的にこの作品を表すのに素晴らしい別称を見かけた「響け!ユーフォニアム」の2人に焦点を当てた作品です。濃厚なネタの密集から、濃厚な人間模様の表現で心を解きほぐす。そんな用法がオススメです。

別に熱い体のままでもいいじゃんと言われると思いますが、あまりの興奮っぷりに映画館を出た瞬間に道路上に飛び出して車に轢かれる前にこの映画のチケットを購入してください。轢かれても今まで稼いだお金がコインになってばら撒かれたり、0からリスタートはできないのです。

この映画、映画『聲の形』のスタッフが作るだけあって、とんでもない感情表現お化け映画になってます。ただでさえ「響け!ユーフォニアム」でも複雑な関係性がまことしやかに考察をされている「オーボエ担当 鎧塚みぞれ」と「フルート担当 傘木希美」の関係について公式が答えを出してくるという暴挙に出てます。

「響け!ユーフォニアム」で出来なかったことを思う存分行っている節があるため、登場人物達の動きや間のとり方、サブストーリーとして本編のあのシーンではこんな事が起こっていたんだよ!という面白さ、丁寧に表現されているところもあれば色々と人間臭い登場人物達の性格が現れている発言など、心拍数的には下がっているはずなのに、どこか息苦しさが続いているというもどかしい気持ちになります。

題材となっている「リズと青い鳥」という童話。吹奏楽の自由曲として取り扱われているところからこの2人に当てはめて歪んだ友情(愛情?)関係を上手いこと楽しませてくれる潤滑剤として機能してくれてます。二人がこのお題を通してお互いの距離の掴み方や最後のコンクールに向けて二人はどうしていくのか、是非劇場に足を運んで見てその目と体で体験して頂きたい。